2013年11月26日火曜日

日本の農業と降水量との関係を表す地図―市町村別オウトウ収穫量と年降水量

  今回は,オウトウ(サクランボ)の収穫量と降水量との関係を見てみます.棒の高さがオウトウの収穫量に比例しており,平面に年降水量を示しています.
  この地図を見ると,これまでに見たブドウやモモと似ているところとそうではないところがあります.東北日本に関しては,ブドウやモモと同様に,内陸の盆地に収穫量の多い地域がありますが,西南日本では異なります.西南日本の瀬戸内海沿岸には,ブドウやモモの産地がありましたが,オウトウは東北日本にしか産地がありません.

2013年11月25日月曜日

日本の農業と降水量との関係を表す地図―市町村別モモ収穫量と年降水量

  今回は,モモの収穫量と降水量との関係を見てみます.棒の高さがモモの収穫量に比例しており,平面に年降水量を示しています.
  この地図を見ると,ブドウ収穫量の地図とよく似ています.西南日本の太平洋沿岸地域や,東北日本の日本海沿岸地域には,モモの産地はみられず,内陸の盆地や,瀬戸内海沿岸地域といった,比較的降水量が少ない地域に主な産地が分布しています.

2013年11月24日日曜日

日本の農業と降水量との関係を表す地図―市町村別ブドウ収穫量と年降水量

  これまで,いくつかの農作物の収穫量と年平均気温との関係を見てきましたが,今週は降水量との関係を見てみます.農業は,気温だけではなく降水量にも大きく影響を受けるものの,日本では,どこでもある程度の降水があります.このため,気温に比べると,あまり明瞭には農業への影響が見えるわけではありませんが,ある程度それらの関係を読み取ることができるものもありますので,今週はそれらをいくつか紹介したいと思います.
  まず最初はブドウです.棒の高さがブドウ収穫量に比例しており,平面に年降水量を示しています.
   この地図を見ると,ブドウの収穫量が多いのは,あまり降水量が多くない地域に限られることが分かります.日本で,特に降水量が多いのは,西南日本の太平洋沿岸地域と,東北日本の日本海沿岸地域ですが,これらの地域では,あまりブドウは栽培されておらず,主な産地は,内陸の盆地や,瀬戸内海沿岸地域といった,日本の中では比較的降水量が少ない地域にあります.

2013年11月23日土曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別ネギ収穫量と年平均気温

 今回は,ネギです.緑の棒で秋の収穫量を,赤い棒で夏の収穫量を,青い棒で秋冬の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
  この地図でも,夏の収穫量は,高緯度の東北北部と北海道に限られることが分かりますが,夏の収穫量が秋冬の収穫量よりもかなり少なくなっています.このため,じっくり見ないと,季節変化を読み取るのは難しいと思います.

2013年11月22日金曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別ニンジン収穫量と年平均気温

  今回は,ニンジンです.赤い棒で春夏の収穫量を,緑の棒で秋の収穫量を,青い棒で冬の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
  この地図を見ると,秋に高緯度で収穫されており,北海道に限られることが分かります.一方,冬,春,夏には,収穫量が多い地域は,ほぼ日本の南部に限られており,それは,年平均気温が15℃以上の地域になります.

2013年11月21日木曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別大根収穫量と年平均気温

 今回は,大根です.緑の棒で春の収穫量を,赤い棒で夏の収穫量を,青い棒で秋冬の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
   この地図を見ると,夏の収穫量が多い地域は,前回のキュウリよりもさらに高緯度の,東北北部や北海道にあることが分かります.ただし,夏の収穫量は,秋冬の収穫量よりも,かなり少なくなっています.

2013年11月20日水曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別キュウリ収穫量と年平均気温

 今回は,キュウリです.赤い棒で夏秋の収穫量を,青い棒で冬春の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
   この地図を見ると,これまで見てきたレタスや白菜,キャベツとは若干異なります.これまでと同様に,夏秋の収穫量が多いのは,年平均気温が12.5℃以下の涼しい地域ですが,これまでよりも高緯度の東北や北海道に多くみられます.また,量はあまり多くはないものの,年平均気温が15℃以上の四国や九州でも,夏秋に収穫されています.一方,冬春については,これまでと同様に,年平均気温が15℃以上のところに,ほとんどの産地がみられます.

2013年11月19日火曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別キャベツ収穫量と年平均気温

 今回は,キャベツです.緑の棒で春の収穫量を,赤い棒で夏秋の収穫量を,青い棒で冬の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
   キャベツも,これまで見てきたレタス,白菜と同様の地図になりました.夏秋は,本州中央部の年平均気温が12.5℃以下の涼しい地域で収穫量が多く,春と冬は,年平均気温が15℃以上の暖かい地域で収穫量が多くなっています.これまで見てきたレタスや白菜,キャベツは,いずれも夏は,単純に高緯度地域ではなく,本州中央部の涼しい地域で収穫量が多いことから,この地域が比較的気温が低いことを理解する教材としては,適当なのではないかと思います.

2013年11月18日月曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別白菜収穫量と年平均気温

 今回は,白菜です.緑の棒で春の収穫量を,赤い棒で夏の収穫量を,青い棒で秋冬の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.
   白菜の産地の分布の季節変化も,レタスとよく似ています.夏は,本州中央部の年平均気温が12.5℃以下の涼しい地域で収穫量が多く,春と秋冬は,年平均気温が15℃以上の暖かい地域で収穫量が多くなっています.レタスと若干異なる点は,収穫量が多い季節です.レタスは,夏の収穫量が,春,秋,冬の収穫量に比べてかなり多いのに対して,白菜は,夏よりも秋冬の収穫量の方が多くなっています.

2013年11月17日日曜日

日本の農業の季節変化と気温との関係を表す地図―市町村別レタス収穫量と年平均気温

  先週は,いくつかの作物について収穫量と気温の関係を見ましたが,今週も農作物と気温との関係を見てみます.とはいえ,先週とは異なり,今週は,収穫量の季節変化と気温との関係です.年間の収穫量でみると,日本の幅広い地域で栽培されているように見える作物でも,季節ごとにみると,ある特定の地域で栽培されているものがたくさんあります.最初に,中学校社会科地理的分野の教科書でもよく取り上げられている,レタスについて見てみます.赤い棒で夏秋の収穫量を,青い棒で冬の収穫量を,緑の棒で春の収穫量を,それぞれ高さと濃淡で量の多寡を表し,平面で年平均気温を表しています.4つの指標を一枚の地図で表していますが,高さでも表現しているので,あまり複雑になっていないと思います.
  この地図を見ると,レタスの産地は季節によって異なり,夏秋の収穫量が多い地域は,冬春の産地よりも年平均気温が低い地域にあることが分かります.夏秋の産地は,年平均気温が12.5℃以下の地域に限られ,本州の中央部に収穫量の多い地域があります.一方,冬と春の産地は,年平均気温がほぼ15℃以上の地域にあります.夏秋は涼しい地域で,冬と春は暖かい地域で,それぞれ収穫されていることが,この一枚の地図から読み取れます.

2013年11月16日土曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別リンドウ(切花)収穫量と年平均気温

  前回と同様,切花の収穫量を見てみます.今回は,リンドウです.棒の高さがリンドウの収穫量を表しており,平面に年平均気温を表しています.
   この地図を見ると,リンドウの産地は,寒冷地にあることが分かります.分布は,リンゴの収穫量とそっくりで,年平均気温が12.5℃以下の地域に限られます.

2013年11月15日金曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別洋ラン(切花)収穫量と年平均気温

  今回は,洋ラン(切花)の収穫量と年平均気温との関係を表す地図です.棒の高さが洋ランの収穫量を表しており,平面に年平均気温を表しています.
    洋ランの産地は,日本の南部に限られ,それは,ミカンや茶と同じく,年平均気温がほぼ15℃以上の地域になります.ただし,ミカンや茶とは異なり,洋ランの収穫量が多い地域は,沖縄まで広がっています.

2013年11月14日木曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別サトウキビ収穫量と年平均気温

  前回はテンサイでしたので,今回は,同じく砂糖の原料であるサトウキビについて見てみます.棒の高さがサトウキビの収穫量を表しており,平面に年平均気温を表しています.
   この地図を見ると,サトウキビの産地は,ミカンや茶の産地よりもさらに南の南西諸島にのみ分布しており,それは年平均気温が17.5℃以上の地域であることが分かります.テンサイとサトウキビは,それぞれ,日本の北部と南部で栽培されており,本州,四国,九州では,砂糖の原料になる作物が栽培されていないようです.

2013年11月13日水曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別テンサイ収穫量と年平均気温

  今回も,寒冷地の作物を見てみます.テンサイの収穫量と年平均気温とを表した地図です.テンサイは,砂糖の原料になる作物で,国産の砂糖の8割は,テンサイからつくられているそうです.
   この地図を見ると,テンサイの産地は,北海道に限られることが分かります.北海道にしか収穫がありませんので,極めて単純な分布に見えますが,よく見ると,収穫量が多いのは,北海道の中でも東部に限られます.この地図を見る限りは,北海道の東部と西部とで,年平均気温に差はありませんので,どうして東部で収穫量が多いのかは,残念ながらこの地図からは分かりません.

2013年11月12日火曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別リンゴ収穫量と年平均気温

  これまで,暖かい地域の作物を見てきましたが,今回は,寒い地域の作物であるリンゴの地図を見てみます.棒の高さがリンゴの収穫量に比例しており,平面に年平均気温を表しています.
  この地図を見ると,リンゴの産地は,本州の中央部から北部と北海道に限られており,それは,年平均気温が12.5℃を下回る地域であることが分かります.ミカンや茶は,単純に日本の南部に分布が限られていましたが,リンゴの場合は,単純に日本の北部という訳ではありません.本州の北部では,東から西まで産地がみられますが,それ以南の本州中央部にかけての地域では,東西の沿岸部には産地はみられず,中央部のみにみられます.これは,この地域が内陸にあり,また標高が高いことから,気温が低いためです.リンゴの産地は,単純に日本の北部に分布する訳ではなく,このような気温分布にしたがっているということが,リンゴの収穫量と気温の両方を一枚の地図に表すことで,より明瞭になったのではないかと思います.

2013年11月11日月曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別茶収穫量と年平均気温

  今回は,茶収穫量と年平均気温の関係を表す地図です.棒の高さが茶収穫量に比例しており,平面に年平均気温を示しています.
  この地図を見ると,茶もミカンと同様,日本の南部にのみ産地があり,それは年平均気温がほぼ15℃以上の地域になっています.ミカンの栽培限界が描かれた地図帳の地図には,茶の栽培限界の線も引かれており,それらの線はほぼ同じところにひかれています.限界線がほぼ同じということは,栽培可能な地域もほぼ同じわけですが,この地図を見ると,実際に栽培されている地域は同じではないことが分かります.静岡県では,茶もミカンもどちらも多くの収穫量になっていますが,それ以外の地域では,産地の分布はほとんど一致していません.栽培は可能ではあっても,どちらか一方のみを栽培している地域が多いようです.

2013年11月10日日曜日

日本の農業と気温の関係を表す地図-市町村別ミカン収穫量と年平均気温

   今週は,農作物の収穫量と気温の関係を表す地図を見てみたいと思います.最初は,ミカン収穫量と年平均気温です.一般に,複数の指標を一つの地図に表すと,複雑で見づらい地図になりがちですが,立体で表す地図では,高さも表せます.このため,立体の地図は,複数の指標を一つの地図にしても,2次元の地図よりも,見やすいかもしれないと考え,年平均気温を平面に表し,ミカン収穫量を棒の高さと色で表しています.
   この地図を見ると,ミカンの産地は日本の南部に限られ,それは,年平均気温が15℃以上の地域であることが分かります.地図帳にも,ミカンの栽培限界を線で表した地図が掲載されているものもありますが,この地図の方が情報量が多いものの,見やすい地図になっているのではないかと思います.次回から,収穫量と気温の関係が明瞭にみられる作物の地図を見てみたいと思います.

2013年11月8日金曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図-市区町村別全従業者当たりの商業従業者数

  今回は,商業従業者数を全従業者数で割った値の地図を見てみます.市区町村の高さが,全従業者当たりの商業従業者数に比例します.
   この地図を見ると,これまでの地図とは対照的に,大都市が全く目立ちません.東京や大阪の商品販売額が巨大な区で,商品を売る人の割合が高いという訳ではありません.この地図からも,大都市で商品販売額が大きいのは,売る人が多いからではなく,買う人が多いからであることが分かります.

2013年11月7日木曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図-市区町村別商業従業者数

 これまでは,商品販売額に関わる指標から日本の商業の分布を見てきましたが,今回は,商業従業者数について見てみます.地図中の市区町村の高さが,その商業従業者数に比例します.
   この地図を見ると,前回の昼間人口当たりの商品販売額の地図よりもさらに,大都市とその他の市区町村との差が小さくなっています.たしかに,東京と大阪の一部の区は高いのですが,それらとあまり差が大きくない市区町村は多数あります.このように,商品を売る人が,大都市で飛び抜けて多いわけではないということは,商品を買う人が,大都市で飛び抜けて多いことを示唆しています.

2013年11月6日水曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図-市区町村別昼間人口当たりの商業年間商品販売額

   今回は,昼間人口当たりの商業年間商品販売額の地図です.一般に,人口といえば,その市区町村に住んでいる人の数を表しますが,それとは別に,昼間人口という,その市区町村に昼間にいる人の数を表すものがあります.他の市区町村からその市区町村に通勤通学している人と,その市区町村に住んでいて他の市区町村に通勤通学していない人とを合わせたものです.一般に,業務地域が広い市区町村ほど,昼間人口は夜間人口(一般的な人口)に比べて多くなり,住宅地が広い市区町村ほど,昼間人口は夜間人口に比べて少なくなります.
  この地図を見ると,これまでの地図よりは,大都市とその他の市区町村との差が,小さくなっています.これまでと同様に,東京の一部の区が最も高くなっていますが,それに続く,名古屋,大阪,広島,福岡との差は,あまりありません.また,それら以外の市区町村との差も,これまでの地図よりは小さく,これまでは,大都市以外の市区町村の間には,ほとんど差がみられませんでしたが,この地図では,大都市以外の市区町村にも差があることが分かります.このように,昼間人口で割った値の差が小さくなるということは,商品販売額には,昼間人口の多寡が,大きく影響していることを示しています.昼間人口が多いということは,商品を買う人が多いか,商品を売る人が多いか,あるいは,それらの両方であると考えられます.大都市で商品販売額が多くなるのは,それらのいずれかの理由によるものではないかと思います.

2013年11月5日火曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図-市区町村別人口当たりの商業年間商品販売額

 今回は,商品販売額を人口で割った値の地図を見てみます.市区町村の高さが,人口当たりの商業年間商品販売額に比例します.
   この地図も,最初に見た,面積当たりの商品販売額の地図と同様に,東京と大阪の一部の区が飛び抜けて高いという単純な分布がみられます.大都市の中心市街地では,商業地域や業務地域が多くを占めており,住んでいる人はあまり多くありません.住んでいる人の数である人口で,商品販売額を割ってしまうと,商業の特徴を表すには,過大評価になってしまうかも知れません.

2013年11月4日月曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図-市区町村別商業年間商品販売額

   今回は,商業年間商品販売額の地図を見てみます.面積で割っていない値ですので,市区町村の高さが商品販売額に比例しています.
   この地図を見ると,前回の地図と同様に,東京と大阪の一部の区への集中が顕著ですが,面積当たりの地図ではみられなかった,わずかに高い市区町村がみられます.それらは,全国に点在しており,その多くは,県庁所在市です.商業は,大都市で盛んであり,分布の偏りは,農業や工業よりも著しいようです.

2013年11月3日日曜日

日本の市区町村の商業に関わる地図ー市区町村別面積当たりの商業年間商品販売額

   これまで,産業については,農業,工業について見てきましたので,今週は,商業に関わる地図を見てみます.最初は,面積当たりの商業年間商品販売額を表す地図で,市区町村の体積が販売額に比例しています.
   この地図は,これまで見てきた農業や工業の地図と比べて,非常に単純で,東京と大阪に大きくて鋭く尖った山があり,あとは,名古屋など,ごく限られた地域がやや高くなっているのみで,残りの大部分が低い値になっています.人口密度の地図も,東京と大阪が高くなるという点で,この地図とよく似た傾向がみられましたが,この地図ほど,東京,大阪の一部が突出していたわけではありません.次回から,指標を変えて,商業の特徴を見てみたいと思います.