前回は,市区町村の製造業従業者数を見ましたが,今回は,それを全従業者数で割った値である全従業者当たりの製造業従業者数の地図を見てみます.この値が大きいほど,製造業で働く人の割合が高いことを示します.
この地図を見ると,太平洋ベルトだけでなく,北陸や関東から東北にかけても,高い地域が多くみられます.ただし,太平洋ベルトの中でも,東京,大阪とその周辺地域では,高い地域があまりみられません.東京や大阪は,人口が多いため,製造業以外の産業で働く人もたくさん住んでいます.このため,製造業で働く人も多いものの,全従業者に占める割合は低くなります.一方,製造業で働く人の割合が高い地域であっても,人口が少ない市区町村では,製造業で働く人の数は多くはならず,製造品の出荷額も多くはなりません.以上のように,同じ製造業に関わるものであっても,指標が異なれば,市区町村の値は大きくなることも小さくなることもあります.ただし,これまで見てきた指標では,東海は,いずれも大きい値を示しており,日本の中で,特に工業が盛んであることを示しています.