2014年6月3日火曜日

Google Earthで見る海成段丘の等高線―佐渡島の等高線

新潟県の佐渡島の海成段丘の等高線を見てみます.「Google Earthで見る地図教材のページ」の「地形」のページにある「様々な地形の等高線図」の表の「海成段丘」の「佐渡島」とある青いボタンをクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,海成段丘の等高線を立体で表した地図が表示されます.
この地図の中央に,海岸線と平行に,段丘面が発達しています.海成段丘は,どうして段々になっているのか,という問いに答えられる人は,多くはないようです.地理の教科書には,河成段丘と同様に,地殻変動や気候変化によって形成された,というように書いてありますが,地殻変動で,どうして段々になるのか説明はありません.なんとなく想像すると,やはり,河成段丘と同様に,地盤が隆起し続けることによって,段丘崖が形成され,隆起していない時期に段丘面が形成される,と考えがちですが,この想像も間違っています.100年くらい前は,このように考えられていましたが,数十年前から,そうではないと考えられています.たしかに地殻変動は重要で,隆起地域にのみ海成段丘は発達しています.ただし,隆起は継続して生じており,隆起しているときに段丘崖が形成されるわけではありません.地盤の隆起は徐々に進行し,大規模な地震の時でも数mしか隆起しません.このくらいの隆起であれば,波浪によって侵食されて段差になりません.約12万年周期で生じる氷期―間氷期の気候変化にともなって,海水準が120 mくらい上下します.現在は,間氷期で,高海面期にあたりますが,あと数万年したら氷期になり,海面は120 mくらい低下します,そうすると,間氷期の海面付近にあった平野が隆起した場合に,波浪は届きませんので,隆起した分が侵食されずに残ります.そうすると,再び間氷期になった時に,氷期の間に隆起した分だけが段差になります.現在,各地で見られる海成段丘の最も広い段丘面は,主に現在から,約12万年前の最終間氷期と呼ばれる時代に海岸付近の平野であったところです.このため,この段丘面の標高が,約12万年間の隆起量になります.

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