2014年6月9日月曜日

Google Earthで見るリアス海岸の等高線―志摩半島の等高線

リアス海岸の等高線を見てみます.リアス海岸も社会科や地理の教科書に頻出する地形です.最初に,典型的なリアス海岸の事例として,三重県の志摩半島のリアス海岸を見てみます.「Google Earthで見る地図教材のページ」の「地形」のページにある「様々な地形の等高線図」の表の「リアス海岸」の「志摩半島」とある青いボタンをクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,リアス海岸の等高線を立体で表した地図が表示されます.
この地図にみられる,入り組んだ海岸線がリアス海岸です.地理の教科書では,リアス海岸は,沈水海岸と説明されており,それと対照的なものとして離水海岸をあげており,海成段丘がその例として説明されています.この説明は,かなり誤解を招きやすいと思います.地盤が沈降している地域では,リアス海岸のような沈水海岸が発達し,地盤が隆起している地域では,海成段丘のような離水海岸が発達している,というように読み取れるような説明がされているのですが,それは間違いです.志摩半島の,この地図の等高線が密ではない,右2/3くらいの範囲は,海成段丘です.リアス海岸と海成段丘は,排他的なものではありません.氷期から間氷期にかけて,世界の海水準は,約1万年間で,約120 m上昇しました.この上昇速度は,地殻変動が極めて激しい地域の隆起速度よりも数倍大きなものです.このため,世界中のあらゆる海岸が,氷期から間氷期にかけて沈水しています.沈水する以前の氷期に,海岸付近に谷が形成されていた場合には,リアス海岸になります.一方,海成段丘は,以前の間氷期に海面付近にあった平野や海底が,現在の間氷期に離水しているため,離水海岸と呼ばれますが,段丘面を開析する谷が,氷期に形成されて,それが間氷期に沈水すれば,リアス海岸になります.

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