2014年7月8日火曜日

Google Earthで見る大阪市の建造物文化財―建造物文化財と地形との関係

建造物文化財と地形との関係を見てみます.「Google Earthで見る地図教材のページ」の「地域学習」のページにある「大阪府内の地域学習に関わる地図」の表の「大阪市の標高分布」の「標高分布」とある青いボタンをクリックまたはタップします.そして,PCでは「開く」を,タブレットやスマートフォンでは「Google Earthで開く」を,クリックまたはタップします.そうすると,下のような,大阪市の標高を色分けした地図が,建造物文化財の地図と重ねて表示されます.
この地図を見ると,建造物文化財が集中してみられる帯状の地域は,南北に伸びる標高が高い地域にあることが分かります.この,南北に伸びる標高が高い地域が上町台地です.大阪市内では,古くからある建造物の多くは,上町台地にあります.
上町台地は,約12万年前の最終間氷期の海面付近で形成された平坦面が,この台地の西端付近に位置する上町断層の活動によって現在の高さまで隆起したものです.したがって,台地を構成する地盤は,約12万年前の最終間氷期に堆積した海成の堆積物で,堆積してから約12万年経過しています.一方,大阪市内の上町台地以外の多くの地域の地盤は,海成堆積物という点ではほぼ同じですが,堆積してからあまり時間が経っていません.古くても6000年程度で,それよりも新しく堆積した地域も広くあります.このため,上町台地では,地盤が固く,大きな建造物でも建てることができ,また,地震時の揺れは,比較的小さいため,倒壊しにくいのに対して,上町台地以外の地域(低地)では,地盤が軟弱なため,大きな建造物を建てるには,高度な技術が必要になります.また,地震時の揺れは大きくなりやすいため,倒壊の危険は高くなります.以上のような条件があるため,上町台地には,古い建造物が比較的多くみられます.

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